イギリス版DVDを見る


前置き

日本では、「フレンズ」のDVD、ビデオは第2シリーズまでしか出されていません。続きがなかなかでないということでかなりやきもきした気分の方もおられるのではないでしょうか。
フレンズを見るには」にあるように、現在なるべく多くのシリーズを見ようとするとヨーロッパで売られているDVDに頼るしかありません。 もちろんこれ以外の方法の方が技術的には簡単かもしれません。たとえば

なんて方法です。でも、ここではあえて難易度は高いですがコネが無い人でも実行できる方法を紹介したいと思います。
ところで放送を録画したテープを個人的な目的以外で使用すること、具体的にはテープを他人に譲り渡すことは、著作権法違反になりますので、上に書いたことは法律の観点からして行うことができません。注意してください。

DVDを入手しよう

世の中はインターネットの時代です。入手するにはインターネットを使うのが簡単で手っ取り早いでしょう。英語が苦手な方のために「Amazon.com, Amazon.co.ukでの購入法」に詳しいやり方を書いておきました。
イギリス版ですと、1シリーズ60ポンド、約10500円で購入することができます。日本版とほぼ同じくらいの値段です。日本語字幕や吹き替えが無い分高いことになるのかもしれません。

輸入したFriends DVD

今持っているDVDプレーヤーではだめ?

手に入れたDVDはヨーロッパ版のものなので、PAL方式のリージョンコード2です。PALというのはヨーロッパを中心に使われているテレビの方式です。

PAL方式のDVD表示
Region Code 2 表示

日本で売られているプレーヤーはリージョンコード2であるのはヨーロッパと同じなのですが、テレビの方式はNTSCで、ヨーロッパとは異なっています。

NTSC 走査線525本 毎秒30フレーム インターレース方式 北米、日本
PAL 走査線625本 毎秒25フレーム インターレース方式 ヨーロッパ
リージョンコード 1 北米
リージョンコード 2 ヨーロッパ、日本

ということですから、ヨーロッパのDVDを見るためにはテレビの方式をなんとかして変換してやらなければいけません。そこで解決法をいくつか提案してみたいと思います。

PAL -> NTSC変換機能がついた、DVDプレーヤーを購入する

一部の海外メーカー製DVDプレーヤーにはPAL信号をNTSC信号に変換する機能がついています。ATTA DVD-838シリーズ、ATTA DVD2000PS、MUSTEK DVD-V300シリーズなどがこれにあたります。DVD ナウ!などで通信販売が行われていますが、同サイトの掲示板によると、DVDを吐き出さなくなるような機械的トラブルは日常茶飯事、ノイズが乗るため改造することが普通に行われていたり、ファームウェアをアップグレードする必要があったりと、日本で市販されているDVDプレーヤーよりは完成度が低いようです。あまりおすすめはできません。
DENONのDVD-1000NDVD-2800Nは、カタログに、PAL->NTSC変換機能つきと述べられている稀有な国産メーカー機です。これに内蔵しているPAL->NTSC変換器はかなり画質がよく、画面サイズも適切に変換してくれるので、かなりおすすめです。外付けのPAL->NTSCコンバータを買うよりもこちらのほうがいいでしょう。
なお、PAL、NTSC方式に両対応と記述してあるプレーヤーの中でも、接続するTVを自動的(あるいは手動で)切り替えるだけで、PALからNTSCに変換する機能がついていないものもありますので、よく確認してから購入してください。他にもカタログに記載してないけれども、PALを再生できるプレーヤーとして、Victor XV-721、XV-P300があります。
これらの情報に関しては未確認のものもありますので、購入なさる際には店頭でのお試しをお勧めします。市販DVDプレーヤーでは海外のDVDは再生できないと思い込んでいるような店員さんもいらっしゃるかもしれません。「絶対無理です」など答えられてもくじけずに試してみてください。
リージョンコードを無視するように改造した(あるいはそのようにして売られている)プレーヤーでも PAL <-> NTSC変換機が中に入っていないものではやはり見ることはできません。リージョンコードを無視しただけで、全世界のDVDが見られるわけではないのです。初期ロットのPlayStation2でがちゃがちゃやってもどうにもならなかったりするのです。

PAL -> NTSCコンバータを購入する

PAL出力するビデオ、DVDとテレビの間に接続するコンバーターが 25000円程度で売られています。ただし画質が低下したり、動きの早い映像についていかなかったり、画面の縦横比がおかしくなったりなど、高品質というわけにはいかなくなります。
これを接続するためには、お持ちのDVDプレーヤーがPAL出力に対応している必要があります。ヨーロッパのDVDを入れただけで吐き出してしまったり、エラー画面を出すような律儀なプレーヤーでは、コンバーターを使っても見ることができません。PioneerのDV-S737はPALディスクをPAL出力のまま再生してくれるDVDプレーヤーです。
プレーヤーの購入前に展示品にPALディスクを入れて確認してみることをお勧めします。画面がしましまの変な具合に映ってもディスクがちゃんと再生されているようならOKです。ちゃんと店員さんの許可をとってからね。

PAL入力を持つテレビ/プロジェクターを購入する

あたりまえながら、PAL録画方式の高画質をあますところなく引き出します。本気で高画質を望むならこの方法しかありません。とはいえ「フレンズ」はもともとがテレビ放送ですので、そんなに高画質では収録されていないんですけど。
海外向けテレビをとりあつかっているようなお店で販売しているマルチシステムテレビは、PAL入力を持っていますのでPAL DVDを接続することができます。しかし、プロジェクターの世界ではいろいろな入力方式に対応しているのはあたりまえの世界。日本国内で普通に販売されている高級プロジェクターの多くはPAL入力にも対応しています。ここはぜひプロジェクターの購入を考えてみてください。プロジェクターの大画面はものすごく魅力的ですよ。

パソコンで見よう

上で書いたような解決方法もありますが、画質が悪かったり、製品としての質が悪かったり、お金がかかりすぎたりといろいろな欠点もあります。
パソコンのDVDプレーヤーは、テレビに出力するわけではないので、PAL、NTSCは関係ありません。ついでにヨーロッパと日本は同じリージョンコード2を使っているので、DVDドライブのリージョンコードを変更する必要もありません。特殊な操作をしなくてもそのまま見れてしまいます。手持ちの、「ATI DVD」と「Power DVD 2000」で確認しましたが、他のソフトではどうでしょうか?他のソフトの再生不可/可能情報をお持ちの方は、掲示板や、メールで教えていただければありがたいです。
画質だってプログレッシブで再生をしていることになりますので、テレビでいうと480pいわゆるD1端子接続並のものが得られます。S端子やビデオコンポジットケーブルを使ってテレビに映すよりもよっぽどきれいです。
ありがたいことに、DVDには英語字幕が入っていますから、音声だけでなく、字幕を表示させながら見ることもできます。これで聞き取りがへたっぴな人もOKです。ついでに、ヨーロッパ向けDVDなので、ドイツ語とかフランス語とかの字幕も入っています。英語が下手だけどフランス語ぺらぺらなんて方もこれならOKですね。
DVDドライブは1万円以下で手に入りますから、DVDならプレーヤー持ってるしパソコンDVDなんていらないや、なんて考えてた人もこれを機会に考えてみてはいかがでしょうか。

やっぱり大画面で見たい。

とはいえ、パソコンの小さな画面を2人とか3人とか6人で見るのはきついし、やっぱりソファにねっころがって見たいよ、って考えますよね。大画面テレビで見たくなるのはやっぱり人情でしょうか。

プラン1 パソコンのVGA出力に対応したTVを買う

これはパソコンの画面のままのきれいにくっきり見えて超おすすめなんだけど、ちょっと値がはります。たとえば自分が使っているのがVictor HV-32PZ900っていうテレビです。でも、これって36型テレビが買える値段だったりするんですよね。

プラン2 パソコンのAV出力を使ってテレビに接続する

最近のパソコンや、グラフィックk−土にはAV出力がついているものがあります。この出力をテレビにつないでやればそれだけで、パソコンの画面を見ることができます。VGAに対応したテレビに比べると、ぼやーっとした画面になってしまいますが、映像を見るには困らないと思います。
Matrox G450-Dual Head等のデュアルディスプレイに対応したグラフィックカードを使うと、ディスプレイをパソコンに接続したまま、テレビ側ではDVD再生を行うという高度なこともできます。デュアルディスプレイに対応していないグラフィックカードでは、パソコンモニターとTVを同時につなぐと、パソコン側がうまく映らないこともあるので注意してください。

プラン3 DVDデコード専用カードを使う

さて、持っているパソコンにAV 出力が無いし、TVを買いかえるお金がないって場合には、専用カードを買うのがおすすめです。ハードウェアデコーダーというものです。パソコンのソフトだけで、DVDをデコードするソフトウェアDVDプレーヤーと違い、遅いパソコンでもきれいな再生ができるようになりますし、持っていて損はないと思います。日本ではバーテックスリンク社が販売を行っているRealMagic Hallywood Plusは PAL->NTSC変換機能がついているので、PAL DVDもそのまま再生することができます。リモコンつきのものが2万円程度で手に入るはずです。

プラン4 ダウンスキャンコンバーターを使う

これも、AV出力が無いパソコンに使う機械です。ダウンスキャンコンバーターとは、平たく言うとパソコンのディスプレイ出力をテレビ画面に出せるように変換する装置です。2万程度で購入できるので、こういう手段もあります。640x480だけでなく、800x600の解像度に対応しているものもあります。ただ、やっぱりこれもディスプレイで見るほどきれいには見えません。

法律的な注意点

こんな風にして、ヨーロッパDVDの再生環境をととのえたら、あとはがんがん楽しむだけです。ヨーロッパでしか発売されてないDVDは、フレンズ以外あまり知りませんし、同じ海外ソフトを買うならアメリカのほうが安かったりもするんですが、リージョンコードをいじらなくてもいいというのは大きな利点だと思います。どんどんヨーロッパDVDを購入して楽しみましょう。

と言いたいところなんですが、海外から輸入するDVDを見るのは、それだけで違法という説があります。
たしかに、DVDには海外への輸出は許可なしには禁止という表記がDVDにはあるんですが、実際にはDVDの海外輸入は公然と行われているのが現状です。(とくにアメリカからヨーロッパへの輸出はすごいです)。
また、個人的に購入したものを海外に持ち出すことは禁じる文は購入したDVDには書かれていませんでした。(自宅にあるDVDソフトの大方はそうやっておみやげとして買ってきたものです。)こうやって入手したものを自宅でつつましやかに見るぶんには大目に見て欲しいなぁと勝手に考えています。こういうのは難しいですよね。見られなくなるように、ソフトやボードに対策されたらかなり困りますよね。


トップへ